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【官能小説】となりの樋口さん 第10話 「第二の女」

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「おーい!こっちこっち!」

店の奥のほうから太一の呼ぶ声が聞こえる。
今日は珍しく、太一に外に呼び出されたのだ。

聞いた事のないような音楽が爆音で流れる、バー。
こんな店がこの街にあったのも驚きだったが、そもそもこういう店に入ったのも初めてだ。
店に入る時も勇気が必要だった。

「こいつ、俺の大学の友達なんだよ」

太一が僕の事をメンバーに紹介する。
テーブルには男女10人くらいいて、女の子のほうが多い。
男は僕と太一と、あと一人だけだった。

「よろしくねー(^O^)」

向かいに座っている、愛想の良さそうな女の子が声をかけてくる。
しかし、基本的にはみんな僕とは別人種だ。
チャラチャラした格好で、女の子もギャルっぽい子が多い。

特に、男に至ってはかなり無愛想で、僕の事は無視してる様子。
男が増えて、あからさまに不機嫌な感じだ。
向かいの子が僕に話かけてても、横から割り込んで無理やり話題を変えてくる。

今回の件は、太一なりに気を使ってくれた事のようだ。
20歳すぎても、まったく彼女ができる気配のない僕に、少しでも出会いを、、、という事らしい。
ありがた迷惑、、、とまでは言わないが、この雰囲気は僕にはハードルが高すぎる気がする。
でも、太一なりの気遣いを感じ、感謝はした。

「こいつ、すげー奥手でさー」

太一はなるべく僕を会話に混ぜようと、話を振ってくれる。

「えー、もしかして童貞くん?」

「い、いや、、、」

髪の毛を真っ赤に染めた、ド派手な巨乳女がつっこんでくる。
童貞で悪かったな、クソ女!
その乳を、今晩オカズにしてやる!

その場には1時間ちょっとほどいただろうか?
太一はいつもよりもハイペースで飲んでるようで、、ベロベロになって潰れてる。
僕も徐々に会話に入れなくなってきて、非常に居づらい。
1時間なら耐えたほうだろう。
誘ってくれた太一には悪いが、そろそろ限界だ。

「あの・・・いくらですか?」

「えー!?帰っちゃうのぉ?」

僕は最初に話かけてきてくれた、一番愛想の良さそうな女の子に数千円を渡すと、その店を出た。
女の子は太一を起こそうとしたが、そのままにしてくださいと制止した。
太一には悪いが、起きたら引き止められるに決まっている。

バタン

「ねえ?帰るの?」

「はい?」

僕が店を出た後に、一人の女の子が出てきて声をかけてきた。
そういえば先ほど、一緒の席にいた子だ。

「あ、レポートとかやらないといけないんで」

「ふーん」

精一杯の愛想笑いで答える。
さっさと切り上げて、帰らなければ。
家に帰れば、また樋口さんのオナニーが待っている。

結局、前回の樋口さんへの射精事件以来、樋口さんのオナニーは止まらなかった。
どうやら何もバレてないらしく、相変わらず毎日オナニーの声が聞こえてくる。

僕は自分の家に向かって歩き出した。

スタスタスタ

「ねえ」

「あ、えーっと、、、」

「あ、あたしアイナ」

なぜか後ろをついてくる女の子。
僕は「なぜついてくるの?」という意味で言ったつもりだったが、相手は名前の事だと思ったらしい。

アイナは茶髪のロングヘア。
今はコートを着ているが、店の中では結構露出の激しい服装で、モロにギャルっぽい子だ。
顔は特別カワイイわけでもない。
性格は、、、まったく話をしてないのでわからない。

「てか、お腹空かない?」
「何か食べにいかない?」

マイペースに話しかけてくるアイナ。
どうやらそういう性格のようだ。

「いや、家に飯も用意してるんで」

「ふーん」

「・・・」

「じゃあ、あんたんちでいいよ」

??????

ついてくるっていうのか?
というか、飯をおごってもらう前提なのか?

「いや、ちらかって・・・」

「寒くない?」
「早く行こうよ」
「どこ?近く?」

そう言いながら、アイナが僕のほうに身を寄せてくる。

ドキ!

すごいそばまで来ると、なんだかいい香りがする。
樋口さんとは違う、香水の香りだが、これはこれで女子の匂いといった感じだ。

「・・・」

結局、アイナの強引さに負け、そのまま家まで二人で歩き始める。
女の子と二人で歩くなんて、本当に初めての事だ。

本当はこの子を僕の部屋に連れて行くわけにはいかない。
前回の太一の時にこりたが、樋口さんのオナニーがバレてしまうので、他人を家に呼ぶのはまずい。
ただ、その日は早め時間に飲んでいたのと、最近は樋口さんの帰りが遅い事もあり、少しだけ時間に余裕はあった。
適当にお茶でも飲んでもらって、帰ってもらうのがいいかもしれない。

それに、女の子と二人で歩くというシチュエーションに動揺し、判断力も鈍っていたかもしれない。

それにしてもなぜ、アイナは僕に話かけてきたんだろう?
しかも家に行くって?
さっきの店でも、まったく話はしなかったぞ?
まさか、一目惚れ?
そんなアニメみたいな事が起こるだろうか?

歩いてる最中、アイナはまったく喋らない。
僕も、女の子と二人で、どんな会話をしていいか分からず、無言のままだ。
ますます謎は深まる。

「あ、ここなんで」

「ふーん」

部屋に上がり込んだアイナは、キョロキョロと何か探してるようだ。

「今日カレーなんだけど・・・」

「いらない」

なんだと?
飯を食いに来たんじゃないのか?
こんなわけのわからないギャルの気まぐれに付き合わされるのはごめんだ。

だいたいなんだ、その格好は!
胸の谷間も出しやがって。
頭の悪そうな非処女が!
お前もオナニーのオカズにしまくってやるからな!

晩飯が食いたいと言われて連れてきたのに、いらないと言われ、微妙な空気が流れる。
しばらくお互い黙ったままだ。

「あ、、、あの、、、」

「・・・」

「・・・」
「・・・じゃあ、コーヒーでも出すね」

「てかさ」
「セックスしない?」

===続く===

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