一般マンガにおけるエロ。
今回は女性作家目線で描かれる、エロギャグマンガ「QUOJUZ」(コジューツ)をご紹介します。
作者は柏木ハルコ先生。
女性作家ながら、オープンな性描写が特徴的な漫画家さんです。
漫画家デビュー作「いぬ」では、バター犬でオナニーしてきた女と、犬の代わりをすることになった男の関係を描いてました。
今回の「QUOJUZ」は、男の主人公が、複数の女性たちに囲まれるという、いわゆるハーレム系シチュエーションのコメディ。
この手のマンガは、男に都合の良い、男目線のエロが描かれる事が多いわけですが、女性作家ならではの、「女都合のエロ」が描かれているのが特徴です。
また、柏木ハルコ先生は、性描写以外にも、人間の感情の深いところ、ドロドロしたところなどを描くのも得意です。
すごくいいマンガを描く方なのですが、ある意味<重い>部分があり、読むのにエネルギーが必要な時があります。
(その分、続きが気になって、非常に面白いのですが)
その点、この「QUOJUZ」は、柏木作品の中ではかなりライト。
人間描写の深みはありつつ、基本的にコメディーなので、気軽に読めます。
さくっと読みたい方にオススメです。
それでは「QUOJUZ」について説明していきますね。
主人公は、介護の学校に進学するために、上京してきたミキオ。
父親とは、何年も会っていないという複雑な家庭環境ですが、経済的理由もあり、父親の家に住む事になります。
ミキオはイケメンですが、女にはあまり縁がなく、未だに童貞。
高1の頃に付き合った彼女とは、初エッチに失敗して、自然消滅してしまったという苦い過去があり、それ以来ずっと性的に悶々とした青春時代を過ごしてきています。
そんなミキオを待っていたのは、、、
父親でなく、腹違いの三人の姉だった
という展開から物語は始まります。
ミキオと姉たちは初対面。
ちょうど、絶妙なタイミングで、男というものに裏切られていた姉たち。
そこに突然現れたイケメンに歓喜しますが、、、
「弟かぁ・・・!!」
血のつながりがあるとわかって、うなだれます。
しかし、弟とわかっても、微妙にあきらめられない姉たち。
今後、ミキオにやたらとちょっかいをだしてくる事になります。
突如として複数の女性に囲まれるという、お約束パターンのラブコメディーが始まります。
三人の姉たちも、エロい。
まずは長女あやめ、25歳。
小説家で、バリバリの自立した大人の女といった感じですが、夫の浮気が発覚して、現在は離婚調停中。
ミキオを手玉にとる、エロい女ですが、男に癒されたいという、弱い側面もたまに見え隠れします。
ミキオの乳首もチンコも躊躇なく触ってきます(笑)
こんなエロいお姉さんがいたら大変でしょうね。
男都合で、こういうキャラを描こうとすると、ただのセクシーなキャラになりがちですが、あやめの場合は、下品さが妙にリアルです。
等身大のエロ姉ちゃんという感じ。
次女かえで、23歳。
理科の教師で、生徒には馬鹿にされ、男にも縁がない、幸薄い系。
彼氏いない歴=年齢で、もちろん男性経験ゼロ。
妄想癖があり、気になる男をクロロフォルムで眠らせて襲う妄想をしたりします(笑)
三姉妹の中では、もっとも常識人に近く、ミキオに惚れているが、弟だからと理性で抑えてますが、、、
ド天然なので、無意識にミキオを惑わせることも。
また、かなりのムッツリスケベ。
特に、こっそりとミキオのTシャツの匂いを嗅ぎまくってたシーンは、ギャグながらエロいと思いましたね。
以前、男の下着や使用済みコンドームの精子の匂いでオナニーをしてる女性たちの動画を紹介しましたが、女性は匂いに興奮するのって、本当みたいですね。
以前、付き合ってた女の子も、恋愛の思い出と、匂いってリンクしてるよみたいな事を言ってました。
それに、かえでのように、ムッツリスケベな女の子って、結構いると思うんですよね。
友達の頃、清楚なイメージだったのに、付き合ってみたら、セックス大好きだったり、私のコレクションのエロ動画を見たがったりした子もいました、
三女すもも、20歳。
ミキオを抜かすと末っ子なだけに、超ワガママな女。
男を落とすまでは積極的なのに、落としてからは急に冷めて、興味をなくしたりします。
男とはトラブルになることも多く、自分のワガママをすべて受け入れてくれる王子様を探しています。
あやめと同じく、オープンなエロのすもも。
ただ、あやめと違って、ワガママ娘らしく、ミキオに仕掛けるエロも狡猾です。
悪く言えばエロぶりっ子で、戸惑うミキオのチンコを握ったり、、、
マンコを触らせたり。
一番ちょっかいを出してくるのが、すももです。
血が繋がってはいるが、なんだかんだみんなエロくて美人。
そんな魅力的な三姉妹に対抗するのが、見た目も内面も超普通の女の子、千葉さん。
ミキオと一緒に介護の研修を受けてる同級生です。
三姉妹との異常な生活から抜け出すべく、ミキオは千葉さんと付き合う事にします。
そんな理由なので、三姉妹に比べて見劣りする千葉さんから、たびたび目移りして、ハッキリしないミキオ。
さらに、ミキオに彼女くっつくのが、面白くない姉たちが邪魔をしまくるので、中々二人の仲も進展しません。
ちなみに、タイトルの「QUOJUZ」(コジューツ)とは、小姑(こじゅうと)の複数形を意味してるそうです。
※小姑たち → 小姑’S → コジューツ
小姑とは、夫の兄弟姉妹の事。
つまり、千葉さんから見た、あやめ、かえで、すももの事というわけです。
小姑たちに邪魔されまくる千葉さんですが、ミキオ自身にも、ある欠点があったのです。
それは<酒に酔うとエロくなる>という事。
さすが、隠し子を作っちゃうような父の息子です。
いつもは常識人なのに、少しでも酒を飲むと、、、
このありさま(笑)
ミキオの事が好きな千葉さんですが、小姑たちが酔い潰れてる横で、豹変したミキオに襲われ、さすがに千葉さんもドン引きです。
たとえ好きな男でも、こう性欲丸出しで来られると、身構えてしまうのでしょうね。
女性の扱いは、色々と難しいです。
さて、物語が進むと、ようやく父親が登場。
しかも、新しい愛人と、その連れ子の女の子を2名連れてきて、彼女たちも同居する事に(笑)
父の愛人の連れ子なので、、、
今度は全く血が繋がってない妹が出来た事になります。
あやめ、かえで、すももの三人の姉。
キリ、グミの二人の妹。
父の愛人の茶子。
童貞なのに6人の女性に囲まれて生活する事になるミキオ。
小姑が増えて、さらにピンチになる千葉さん。
ドタバタなラブコメディーが、さらに加速していきます。
そんな中、エロいなと思ったのが、千葉さんのこの発言。
小姑たちに恋愛を散々邪魔され、未だに2人はエッチ無しの状態。
そこで、、、
「今日はもう、SEX(や)る!」
意を決した千葉さんは、ミキオを連れてラブホに直行します。
こういう、女性側からの性欲的発言っていいですよね。
セックスの事を意識してるのは、何も男だけではないのです。
大人ならば付き合う=セックスだと誰でも理解してるわけです。
ある女の子も
「付き合えるかどうかは、その人とセックスできるかどうか」
と言ってました。
普段、世の中は<好き嫌い>という言葉で濁してますが、セックスできるかどうかというのは、非常に真理をついていると思います。
付き合うOKだった場合、すぐにではなくても、いずれはセックスする事を、男女ともに意識はしているわけです。
しかし、恋愛では、あまりに露骨なのはよろしくないので、まさに駆け引きをしているわけです。
女だって、セックスを意識してる。
好きな子は好きだし、セックスをしたいと思っている。
そういうのって、妄想が膨らんでエロいと思うのです。
柏木ハルコ先生は、最近でも生活保護の問題を描いたマンガで注目されてましたね。
最初に書いたように、エロだけでなく、とてもいいマンガを描く方だと思います。
「QUOJUZ」を未読の方もぜひ。
ちなみに、全2巻です。
元々、柏木ハルコ先生は長期連載の少ない人ですが、その中でも短いほうですね。
もうちょい続けてほしかったですが、諸事情があったのでしょう。
さくっとしてますが、大好きなマンガだったので残念ではあります。
★DMMで全巻立ち読み可能