出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
前回より引き続き、川中康嗣先生の話題作「お願い、脱がシて。」についての考察を続けてみたいと思います。
今回は第二回ですので、第一回目の記事を未読の方は、先にそちらをどうぞ。
考察その1↓↓↓
考察その3↓↓↓
考察その4↓↓↓
考察その5↓↓↓
基本設定のおさらいと縛りの重要性
まずは本作の基本設定のおさらい。
そして、その基本設定に縛られる、守る事の重要性について言及してみたいと思います。
基本設定のおさらい
さて、本作は<学校でエロい事(オナニー)をしちゃうとパンツが脱げない呪いにかかる>という設定が秀逸だというお話をさせていただきました。
学校でコソコソオナニーしちゃった女の子にパンツが脱げなくなる呪いがかかる
↓↓↓
トイレにいけなくなるのでお漏らしのピンチ
↓↓↓
呪いを解いてもらう(パンツを脱がしてもらう)時ににオマンコ見られそうになる
↓↓↓
呪いのトリガーがオナニーなのは明白なので、オナニーしてた事はバレる
というのが本作の基本的な設定と話の構成です。
基本設定に縛られる事の重要性
マンガが面白くなるには、この最初の設定をどこまで守れて、そして設定の範囲内でどこまで話を広げられるかが肝心になってきます。
とは言っても、設定に後から付け足しというのはマンガにはよくある事で、設定の付け足しがあったら必ずしも駄作になるかと言うとそうではありません。
上手いマンガは設定の付け足しも、最初の設定の派生から、ごく自然に付け足しています。
何故、設定という縛りが必要になってくるかと言うと、マンガというものは作者の都合でどうとでも話を変えられるからです。
作者がどうとでも変えられるからこそ、作者と読者の間の決まり事・・・マンガの初期設定という縛りが必要になってくるのです。
例えば「ワンピース」の中に地球を簡単にぶっ壊せるスーパーサイヤ人が出てきたらどうなるでしょう?
これまでの話は破綻し、読者も興ざめしてしまうでしょう。
逆に設定は守っても、話がワンパターンだと水戸黄門のようになってしまいます。
その為、設定を守りつつ話を広げる必要があるのですが、一番良い例を挙げるのであれば、私は岩明均先生の「寄生獣」を真っ先に挙げたいです。
人間の頭部に寄生し、自在に変形できる寄生生物という設定を最後まで守りつつ、実に様々な展開を見せてくれた大名作です。
あの作品の中に寄生生物を超越した存在が登場したら興ざめでしたし、毎度同じような敵が出てきたら、あんなにワクワクしなかったでしょう。
エロい漫画だからこそ設定に縛られるべき
このように、設定を守り、設定の範囲内でできる限り話を描く事は、作品を面白くする為にとても大切な事なのですが、実はエロい漫画は設定が崩壊しがちです。
なぜならエロい漫画はエロいシーンが描ければよいという刹那的なものが多いからです。
1話完結の、オカズ用のエロ漫画なんかはその最たるものです。
設定は1話だけ保てればよいのですから、エロいシーンの為には何でもアリにしてしまいます。
そんな中で本作「お願い、脱がシて。」は私の予想を遥かに超えて健闘していると言えます。
オナニーして呪われた女子のパンツを脱がせるという展開は、普通は一話で消耗しきりそうな設定です。
それなのに実に色々な女の子の登場人物を出して、色々なシチュエーションで、読者を飽きさせずに描いていっています。
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
基本設定の縛られた上でのバリエーション
片手でパンツ2枚脱がし
脱がし方の描写も色々と細かく分かれています。
印象深かったのは二人同時に脱がせなければいけないというシチュエーションでの事。
普段はパンツの端を両手で持って脱がせるのですが、二人いるので、片手ずつしか使えません。
どうしたかと言うと、、、
パンツの中に中央から指を突っ込んで鍵爪のようにして下に引き下げたんですね。
パンツの中・・・特に中央に位置しているので、オマンコのすぐそばに指を入れた事になり、パンツを脱がせるというシチュエーションでここまでゲスい事を考えるかと感心したものです(笑)
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
女子高生じゃなくて陰キャ女子中学生も犠牲に
また当然とは言えますが、呪いの犠牲者は高校の生徒だけにとどまらず、教育実習の先生や、生徒の親族にまで広がっていきます。
特に好きなエピソードは中2でゲームオタクのみのりという少女のケース。
みのりは神手に負けず劣らずオタクな少女なのですが、高校の文化祭のゲーム大会で神手にコテンパンにやられてしまい、そこから神手の事を意識するようになります。
実は第一話で呪いの犠牲者になったギャル・白島かおりの妹で、ギャルな姉と正反対の陰キャとして描かれています。
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
年上の神手の事も呼び捨てにし、一人称も「俺」という生意気な女子であるかおりなのですが、コミ障すぎて友達もおらず、反発しつつも神手の事を悪く思っていません。
そんなみのりが呪われて(オナニーして)しまい、神手にパンツを脱がしてもらう事になるのですが、これまでの女子高生たちとはまた違った羞恥っぷりを見せてくれています。
「にひひひ・・・」
「夢・・・?現実・・・?これなんてエロゲ?」
高校生に比べたらまだまだ子供と大人の中間であるみのりには、男の人にパンツを脱がしてもらうというシチュエーションは刺激が強すぎて現実を受け入れられません。
また、印象的だったのが、、、
「ま、待って・・・」
「これ以上はその・・・」
パンツを途中まで下ろした状態でストップをかけるみのり。
「お、お姉ちゃんは・・・その・・・」
「神手に見られたの?」
「女の子の大事なところ・・・」
と、オマンコを見られる事を本気で心配し、姉であるかおりに問いかけます。
生意気な少女が、どうしようもなく不安になって姉を頼るというのが、オマンコを見られる羞恥心が尋常じゃないという事をあらわしています。
ここのセリフは秀逸だなぁと思いました。
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
むしろオマンコが強調されるオマンコ隠し
ちなみに服装はホットパンツだったので、オマンコをスカートで隠す事はできません。
結局、手に持っていたゲーム機で隠すのですが、液晶の光でオマンコが照らされて、むしろエロくなっています。
このようにオマンコの隠し方も、結構色々と登場してきますね。
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
ちなみにみのりが呪いにかかったトリガーはもちろんオナニーした事なのですが、、、なぜ文化祭の最中にみのりがオナニーしてしまったのか?
実はある女性にオナニーしたくなるように誘導されていたのです。
オナニーを誘導される女子中学生
「なんのゲームしてるの?」
中庭のブースで一人ゲームをするみのりに声をかける知らない女性。
その女性から<神手が映った写真>をもらい、さらにエッチな事をたくさん囁かれて、まだまだ未熟な少女であるみのりは、まんまとオナニーするように誘導されてしまったのです。
神手本人にも写真を見つけられ、観念してカミングアウトするみのり。
オナニーを誘導されたというのもエロいですが、オナニーのオカズが神手の写真だったと、本人にバレたのも非常にエロい。
<オマンコ見え>漫画としてだけでなく<オナニーバレ>漫画としても非常にレベルが高いシチュエーション設定ですね。
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
暗躍する謎の少女の登場
と、ここで気になるのは、オナニーを誘導してきた女性の存在。
その女性とは、神手の幼馴染・蛇蝮谷あかり (じゃはみや あかり)なのでした。
重度のオタクで、普段は女子とは敬語でしゃべる神手(年下相手でも)が、唯一ため口でしゃべる女子でもあります。
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
使命に目覚めるきっかけの少女が悪女へと
あかりは、現在の神手が呪いと戦う使命に目覚めた事件の当事者・・・
そうです。
小5の時に呪われて、クラスメイトの前で盛大にお漏らしをし、転校してしまった少女こそがあかりなのです。
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
小5で転校した後、音信不通だったのですが、つい最近突然の再開を果たしていました。
ところが、久しぶりに再会したあかりは、神手の思っていたのとは少し違う女性に成長していました。
呪いによってお漏らししてしまった弱弱しい存在ではなく、神手に対しても女の武器で手玉にとろうとしてくるような悪女のようになってしまったあかり。
みのりをオナニーに誘導したのも、あきらかに呪いのトリガーを理解しており、わざと呪われるように仕向けたわけです。
その他、神手以上に神手一族や呪いの事に詳しいような描写もあり、謎多き女性として描かれています。
神手はまだはっきりとは認識していませんが、いわゆる敵として登場しているわけですね。
神手が使命に目覚めるきっかけとなった相手が、呪いをしかける側に回る、、、ここも漫画的な展開で非常に熱いです。
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
この後も神手は様々な女性を呪いから解放しながら、時おり現れるあかりに翻弄されていきます。
それぞれの解呪エピソードとは別に一族の謎、あかりの目的などが物語の大きな骨組みにもなっており、先が気になる展開です。
ここら辺がただただエロいシーンを描きたいだけの漫画とは一線を画する所でしょうか。
普通のオカルトミステリー漫画としてもストーリーが面白いですね。
バリエーションの先にあるハーレム化
そんなわけでパンツの呪い設定を守りつつ、様々なエピソードで話を膨らませた結果、本作はハーレム化にも成功しています。
普段はキモオタ的な扱いをされる神手ですが、呪いを解くときは女子にとってすごく頼りになる存在で、徐々にその理解者を増やしていったわけです。
ハーレム漫画で有名なのは古くは赤松健先生の「ラブひな」とかですかね。
ハーレムものの元祖は諸説ある(「うる星やつら」などを挙げる人も)のですが、いわゆる現代のハーレムものの典型を形作ったのは「ラブひな」じゃないかなと思ってます。
本作「お願い、脱がシて。」もまさに「ラブひな」化してきており、今まで救った女の子たちが神手の周りにたくさん絡んでくるようになってきてます。
中には何度も呪われて何度も脱がしてもらっている女の子もおり、文化祭の時には一気に4人の女の子が呪われてしまうというエピソードも描かれていました。
まさにパンツ脱がし界の「ラブひな」です。
こうなってくると、読者側も「どの子が好み」みたいな楽しみ方ができるようになってくるわけですね。
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
オナニーのバリエーション
パンツ脱がしのほうだけでなく、オナニーのほうも色々なシチュエーションが描かれます。
印象的なのが七軒茶屋 寿(しちけんぢゃや ことぶき)ちゃんがオナニーする事になるエピソード。
寿ちゃんの前に、寿ちゃんの幼馴染である弓美が呪われてしまうのですが、呪いの事を信じきれない寿ちゃんが、呪いを確かめるためにわざと学校でオナニーをするというシーンがあるのです。
寿ちゃんはあまり裕福な家庭ではなさそう(狭いアパート暮らし)な描写がありまして、弟たちの面倒をよく見る、非常に良い子なのです。
そんな寿ちゃんが、呪いを確かめるためにわざわざ学校のトイレでオナニーする姿は興奮ものです。
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
逆転の発想のパンツ脱がし
また、逆転の発想で神手が呪いにかかってしまうというエピソードもあります。
詳しくはネタバレになってしまうので言えませんが、呪いを吸収しすぎて神手本人が呪われてしまうのです。
そして、それを解呪する方法は、一度呪われた事がある女性が呪いを受け継ぐという事。
そんなわけで、これまで神手に助けてもらってきたスポーツ少女の翼が、神手のパンツを脱がしてあげるというエロシーンが描かれます。
これは初期の設定からは少しはみ出してはいますが、十分説得力を感じさせる、良い派生のさせ方だと思いました。
ちなみにこの時、神手はつい勃起してしまい、チンコが引っかかってパンツが脱がしにくいという事態に陥ります。
「あ、あれ・・・(汗)」
「な、何か引っかかって・・・」
「つ、翼さん・・・力ずくだと痛いです・・・」
「えっ・・・?」
「・・・!!」
一瞬何のことかわからなかった翼ですが、神手が勃起している事にちゃんと気づくのがエロいです。
そしてその後のセリフ・・・
「そうだよね・・・ごめん」
「お、男の子だもんね」
翼自信の恥ずかしがりながらも、男の生理現象に一定の理解を示す、ウブな女子高生感がでて、非常に良いです。
こんな子にパンツ脱がしてもらってみたいですねぇ・・・
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
三角関係で加速するストーリー
さて、一話完結でなく連載漫画であるが故に、単なるエロ漫画ではなくハーレム化・・・つまりラブコメ化に成功した本作ですが、ラブコメが行き着く所はなんでしょうか?
それはやはり三角関係ですね。
主人公の事が好きな二人の少女
ハーレムの中から現在は突出して神手の事を意識する女の子が二人出てきています。
一人が神手のパンツを脱がしてあげたスポーツ少女・翼。
ハーレムの女子の中でも、圧倒的な回数呪われて、その都度神手に脱がしてもらってます。
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
もう一人が呪いを確かめるためにわざと学校でオナニーをした寿ちゃん。
弟の面倒をよく見る、すごく家庭的な良い子ですね。
この他にも神手の事を意識しているような女子もいるのですが、モロに恋愛感情丸出しなのは今のところこの二人です。
※例えば第一の犠牲者であるギャルのかおりは、ストレートな恋愛感情ではなく、神手を頼れる男として認めているようなニュアンス。
寿ちゃんも翼に次いで呪われた回数は多いです。
そりゃ、何度もパンツ脱がされてたら好きになっちゃうかもな・・・
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
好きな男子をオカズに思い出しオナニーする少女
寿ちゃんについては、神手の事をオカズにオナニーをしているという描写もあります。
先ほども書いた通り、寿ちゃんの家は狭いアパートで、弟二人と暮らしています。(両親の描写はまだないのですが、高校生なのでおそらくは両親と暮らしているとは思われます。共働きで家にあまりいない設定?)
寿ちゃんの家は狭いので、女子高生になっても自分ひとりの部屋はありません。
弟二人と布団を川の字にして寝ています。
そんな弟が隣で寝ている状態で布団の中で好きな男子をオカズにオナニーにふけっているシーンがあるのです。
ヒロインのオナニーシーンというのは今までもなくはないですが、ここまで生々しい生活感のあるオナニーは珍しいのではないでしょうか?
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
実際、私の同級生でもあまり大きくない家に大家族で住んでいる女子がいまして、そういう子ってオナニーとかどうしてるんだろうってずっと気になってたんですよね。
普通、年ごろの女の子が家族と同じ空間でオナニーをするというのはあり得ないほど恥ずかしい事だと思いますが、プライベートな空間が一切ないのであれば背に腹は代えられません。
きっと我慢できず、川の字になってこっそりオナニーしてた女子高生とかいるんだろうなって生々しさを感じます。
しかも寿ちゃん、神手をオカズにしっかりとイクところまでやってます。
イった後のボーっとした表情とかたまらなくエロいです。
ラブコメ漫画に生々しいオナニーを持ち込んだ功績
さて、この二人、どちらが神手と結ばれるのか、非常にヤキモキしますね。
順当にいけば先に登場した翼のほうが有利なのでしょうが、寿ちゃんも負けていません。
実は先日、連載元のマガポケから出張連載として週刊マガジンに読み切りが掲載されたのですが、そちらでは寿ちゃんがヒロインになってました。
前述の通り、翼に次いで多く呪われている寿ちゃんですから、神手とのパンツ脱がしシチュエーションも負けてません。
こんな感じでオマンコ完全にオマンコみえちゃいそうな恰好でパンツ脱がされたりしてますからね。
かつて、こんなアングルでパンツ脱がしを描いた一般マンガあったでしょうか(笑)
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
パンツ脱がしのエロシチュエーションを丁寧に描いた事で、ハーレム化、ラブコメ化に成功した「お願い、脱がシて。」ですが、逆に言うとラブコメ漫画に生々しいオナニーシーンを持ち込んだともとらえられます。
エロ漫画ではなく、ラブコメ漫画としてくくった場合、おそらくはオナニーシーンの多さはダントツ一位ではないでしょうか。
モテ始めても非モテ男子
というわけで、本人が望んだわけでないにしろ、どんどんと女子にモテ始める事になる主人公・神手。
呪われた女子からみたら、自分を救ってくれたヒーローですし、パンツ脱がした仲という秘密を共有しているわけですからね。
神手本来の優しさとか頼りがいなどの本当の魅力に女子が気づき始めるというのは、読み手としてもカタルシスを感じます。
それもこれも、前回書いた通り、神手を一本筋の通ったキャラで描いてくれたおかげで、読者も反感を覚えず、むしろ神手もってモテてくれと応援したくなるのでしょう。
ただ、ご安心あれ。
呪いを解いた女子達からは一目置かれるようになった神手ですが、その他大勢の女子からは相変わらず嫌われております。
呪いの調査をする上で、女子の着替えに遭遇してしまったり、散々学校内の評価を下げています。
終いには神手を退学させるための署名活動まで巻き起こるくらいです(笑)
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
救った女子から好意をいただかれるのは自然な事かもしれませんが、あまりにスーパースターになってしまうのもちょっと違いますね。
神手はあくまで特撮オタクのキモ男子・・・というのが愛嬌がある所なのでしょう。
一部の女子からモテたとは言え、決して遠い存在にはいきませんので安心してください(笑)
出典:川中康嗣「お願い、脱がシて。」
まとめ
さて、今回もだいぶ長くなりましたが、もう少しだけ語り足りない事がありますので、次回に続きます。
本作はさらに過激になっていくのですが、そこら辺を言及してみたいと思います。
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