2020-10-10 (Sat)
00:56
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今回は一般漫画のエロ・・・の番外編としまして一般アニメでのエロ表現について書いてみたいと思います。
現在では絶対にできないことだと思いますが、誰でも見れる一般向けのアニメで、少女のマンコが描かれていたというお話です。
・・・と、その話をする前に、日本における性表現の規制についてお話させてください。
漫画やアニメに限らず、性的表現というものは規制と表現の自由のせめぎ合いでございまして、アウト/セーフ、そしてグレーゾーンというものは時代とともに変化してきました。
どこからセーフでどこからアウトなのかは世界各国でも異なりますが、日本の裁判等では「わいせつ」というものの定義を次のように定めています。
1.徒らに性欲を興奮又は刺戟せしめ、
2.通常人の正常な性的羞恥心を害し
3.善良な性的道義観念に反するものをいう
私には非常に曖昧な定義のように思えるのですが、皆さんはどうでしょうか?
何に性的興奮を覚えるかっていうのは人それぞれだと思うし、これだと明確な基準にならないと思うのですよね。
この基準が曖昧な事によって、時代時代でいつの間にかアウトだったものがセーフに、、、逆にセーフだったものがアウトになったりしてるんです。
一番有名な話がアンダーヘア・・・つまりマン毛の解禁ですね。
別に陰毛くらいいいじゃないかと、今ならば思うのですが、1970年代あたりまではヘアヌードは完全にアウトな代物でした。
ところが徐々に徐々に「陰毛はわいせつ物」だという主張と「表現の自由だ」という主張のせめぎ合いが起こり始めます。
そしてついに1991年にヘアヌードが解禁となります。
その解禁となった経緯も、法律に「ヘアヌードOKです」と明記されたわけじゃないんです。
篠山紀信先生の撮影したヘアヌード写真集に対して、警察が摘発でなく口頭での警告のみを行ったという事実があるだけなんです。
要するに警察が逮捕しなかった、、、ならば暗黙の了解でセーフって事ね っていう話なんです。
とても曖昧な話ですよね(笑)
そんなわけで映像制作業界も出版業界も、警察の顔色をうかがいながら、暗黙の了解というやつを探り探りやっているというのが現実なのです。
で、この暗黙の了解の中で最もわかりやすい基準というのがオマンコ見せたらアウトというものです。
マンコ見せちゃダメ・・・これは知っている人も多いのではないでしょうか?
マンコにモザイクがかからずにモロに映っているAVはいわゆる裏と呼ばれてたりしましたよね。
ところが、かつて一般に手に入る雑誌などで少女のマンコの写真を掲載してもセーフだった時代があった事をご存じでしょうか?

それは1970年代後半から1980年代前半にかけてのロリコンブームの時代です。
今では<ロリコン>という言葉にはすごくマニアックなイメージがついていると思いますが、一般人を巻き込んでロリコンがブームを巻き起こしていた事があるのです。
宮崎駿監督の「ルパン三世 カリオストロの城」のルパンの有名なセリフで「妬かない、妬かない、ロリコン伯爵!」というものがありますが、それぐらい一般に浸透した言葉だったようなのです。
で、このロリコンブームの時代には、なんとまだ陰毛も生えていない未成年のオマンコ、、、いわゆるワレメの写真を掲載した雑誌などが普通に販売されていたのです。
今ではむしろ児ポとして国際的にもアウトな未成年のワレメですが、これが許されたのは先ほどのヘアーがアウトだったという時代背景の反動とも言えるのです。
つまり当時の日本では陰毛そのものを<わいせつ>と見なす考えが浸透していたため、陰毛が生えてない少女のマンコは<わいせつではない>という理屈なんですよね。
マン毛がボーボーの大人のマンコが卑猥なのであって、つるつるマンコは子供の体だから卑猥とかそういうのじゃない っていう。
・・・今では理解できない理屈ではありますが、とにかくその時代は少女ヌードでマンコを見せる事ができたのです。
今と違って、ネットで気軽にマンコを見る事ができない時代です。
ワレメとは言えマンコが見れるロリコン雑誌は、ロリコンでない人にも広く買い求められたそうで、ロリコンブームの後押しとなったようです。
ところがこれも1985年頃に「ワレメも性器」(当たり前ですが)という見解により、警察に摘発される雑誌が出始めて、終焉を迎えます。

さて、これまで話してきたのは基本的に実写によるものについての規制です。
実写・・・写真集や映画などと漫画・アニメはアウト/セーフの基準にズレがあります。
漫画・アニメでの女性器描写とはいったいどうなのでしょう?
実はマンコを見せちゃいけないっていうのはあくまで本物のマンコであって、基本的には絵のマンコはその範疇には含まれないはずなのです。
絵は所詮「絵」でしかなく、紙の上に書かれた記号でしかないですからね。
実際、SNSなどでマンコの写真をアップした人が逮捕された話は聞きますが、マンコの絵をアップした人が逮捕された話はあまり聞いたことがありません。
ただ結局、摘発するか否かは警察が判断するので、セーフの「はず」とまでしか言えないのです。
そのため、絵のマンコについても非常にグレーゾーンではあるのです。

グレーゾーンであるため、商業作品においては漫画でもアニメでも、基本的にオマンコは描写されません。
女性の股間は何もないつるつるの皮膚であったり、何らかの方法で隠したりします。
ただ、表現というものは徐々に徐々に過激になっていくものです。
そして1980年代後半頃、詳細なオマンコを描写する漫画がついに一般誌に登場します。
それが、かつてヤングサンデーで連載されていた「ANGEL」という漫画です。
※「ANGEL」については↓↓↓
「ANGEL」のマンコ描写は、現在のエロ漫画、同人誌に比べれば、まだデフォルメされたものではあったのですが、それでも当時の常識からいうと、かなり緻密な描写でした。
リアルなマンコの絵が見れるという事で人気を博した「ANGEL」ですが、過激な表現には反発する人たちもいます。
「ANGEL」は当時のPTAなどから猛反発をくらい、一部の自治体で有害図書に指定される事態とまでなってしまったのです。
警察に摘発されたわけでもなく、自治体に有害図書指定されただけではありますが、その事が原因で内容もどんどんと過激さが抑え込まれてしまい、連載終了へと追い込まれてしまいました。
しかもマンコを描写したまま発売されていたコミックは発禁処分となり、以降は修正を施された形でしか販売されていません。
※「ANGEL」は電子書籍でも復刊していますが、すべてマンコには修正が施された状態となっています。
この事件以降、やはり一般誌ではマンコ描写に関しては再び敏感になってしまいまして、基本的には自主的に規制している状況です。
また現代では、18歳以上を対象としたエロ漫画においてすら、ディケイド修正などである程度隠すのが一般的になっています。
ちなみにこの件で作者の遊人先生が逮捕されたわけではないので、当時の警察の見解としては違法ではないと判断されていたのでしょう。
なのでマンコの絵はあくまで世論を鑑みた出版社側の自主規制・・・と言いたいところなのですが、警察に摘発された事例もあるようなんです。
※2013年の『コミックメガストア』『ニャン2倶楽部』編集部の家宅捜索と休刊事件
絵であれば法的にはセーフであるはず、、、とは書いたのですが、かなりグレーなのが実情なのです。
■1983年「クラッシャー・ジョウ 劇場版」
というわけでいつも以上に前フリが長くなってしまい、すみません(笑)
これまでに説明させていただいた
・わいせつの規制基準の曖昧さ
・1980年代のロリコン(ワレメ)ブーム
・アニメはグレーゾーン
という3点を頭に入れておいていただくと、以降の話も理解しやすいかなと思います。
それではマンコが描かれた一般アニメについて、行ってみましょう。
まず最初は1983年公開の「クラッシャー・ジョウ 劇場版」です。
ロリコンブームの真っただ中であり、まだ「ANGEL」のようなマンコ表現は登場していない時代ですね。
「クラッシャー・ジョウ 劇場版」はガンダムのキャラクターデザインなどでも有名な安彦良和先生がキャラクターデザイン、脚本、監督を兼ねて制作されたアニメ映画で、広くアニメファンに向けて作られた、いわゆるメジャー作品となります。
そんなメジャーなアニメ映画であるにも関わらず、なんと冒頭いきなりヒロインの股間にワレメが描かれているのです。
映画の冒頭、全裸で冷凍睡眠中の若き女性科学者ジョナ・マチュアが登場するのですが、その股間には明らかなワレメ・・・陰裂が描かれているのです。
あ、ちなみに当ブログではマンコの部分はすべて自主的にモザイクをかけています。
ほぼほぼ大丈夫なのですがグレーゾーンであって、100%セーフでないからです。
要するに私がビビッてるためです(笑)
それまでのアニメ表現の常識で言えば、Y字鼠径部さえ描かれていればよく、そこに「スジ」を描く必要はないはずだったのです。
そこは性的描写にうるさい安彦良和先生ならではのこだわりだったのでしょう。
とにかくメジャーなアニメ映画でのマンコというのはおそらくはこれが最も古い例かと思われます。(マイナー作品や18禁作品は除く)
■1983年「クラッシャー・ジョウ 劇場版」
続いて1984年公開の「少年ケニヤ」でもマンコ描写があります。
「少年ケニヤ」も角川映画が製作したアニメ映画第二弾という事で、非常にメジャーな立ち位置にいる映画です。
この映画でマンコが描かれているのは、やはりヒロインのケートという美少女。
ビシっ!!
このケートがムチで打たれるシーンがあるのですが、、、
バサ!!
倒れた瞬間に衣服がめくれてマンコが見えてしまうというのです。
・・・ところが普通に再生していてもまったくわかりません。
これを1コマ1コマずつコマ送りにすると、、、
なんと1コマだけケートの衣服がめくれた状態のコマが存在しており、そこにははっきりとワレメが描かれているのです。
1コマだけなので普通は気づきません。
知らず知らずのうちにアニメファンはサブリミナルマンコを脳内に刷り込まれてしまうのです。
「クラッシャー・ジョウ」は誰もが認識できる状態でワレメを出しましたがガラス越しでしたので、むしろ「少年ケニヤ」のほうがハッキリとマンコとして描かれている気がします。
で、今回調べて初めて知ったのですが、なんとこの映画の監督はあの大林宣彦監督なんですよね。
大林宣彦監督といえば実写映画というイメージでしたので、アニメ映画を撮っていたとは存じ上げませんでした。
実験的で性表現に拘りがある大林監督であれば、納得のシーンですね。
大林監督のエロスについては↓↓↓の記事で書いてますので、良かったら読んでみてください。
■1986年「火の鳥 鳳凰編」
さらにはあの漫画の神様・手塚治虫の作品でもマンコ描写が確認できるのです。
それが1986年公開の「火の鳥 鳳凰編」です。
1986年と言えば少女のワレメ写真を掲載した雑誌が摘発された次の年でしたね。
ロリコンブームが終焉を迎えつつある時代です。
で、ワレメが描かれているのはヒロインのブチという少女。
ズル・・・
茜丸という青年に木の上からちょっかいをかけていたブチが足を踏み外し、落っこちるシーンでワレメが確認できます。
「きゃー!!」
ガバ!
茜丸に向かって落っこちる際に、思い切り開脚するブチ。
舞台である奈良時代では女性も下着などつけてませんから、当然ノーパンです。
ここはサブリミナルではなく、はっきりと股間に陰裂を確認できます。
前述の二つと違って、男の顔面の至近距離で股を開くという<オマンコ見え>シーンでもありますね。
ここも普通のアニメの手法であれば服や膝で隠すなり、茜丸の頭で隠すなりできたわけですが、あえてマンコを描くというところが面白いです。
ちなみにブチは未成年風ではありますが、尻とかも出してます。
立ちションをするガキどもを追い払うためにケツを見せて威嚇するブチ(笑)
ここまでメジャーなアニメ映画でマンコを描くというのは、今では考えられません。
今でいえば「君の名は。」で三葉(みつは)のマンコが描かれているようなものでしょうか。
あり得ないですよね(笑)
この3作品とも、漫画・アニメの性器描写がどこまで許されるかまだまだ定まってなかった時代である事と、ロリコンブームが重なった時代というのが面白い所です。
大林監督が遊び心としてケートのマンコを1コマだけ紛れ込ませたという発言があるそうですが、3作品とも表現の規制の壁をぶち破るために実験的な精神でマンコを描く事に挑戦したのではないでしょうか?
それでもマン毛モジャモジャの卑猥なマンコを描くというのは、あまりにも行き過ぎですよね。
見ているほうも引いてしまうかもしれません。
そこでロリコンブーム時の少女のワレメです。
少女のワレメはわいせつ物ではなく、ある種のトレンドとして取り入れられ、このワレメ描写が生まれたのではないかと私は考えます。
それにしても線が一本有るか無いかだけの問題なんですけどね(笑)
線一本で私たちをザワザワさせてしまうオマンコの影響力というものを、改めて感じました。
余談:これからのオマンコ描写
さて、ワレメがセーフで、アニメにもワレメが取り入れられた時代があったというお話ですが、むしろ今の時代はワレメ・・・未成年のマンコは大人のマンコ以上に違法性を含むものとなっております。
それは未成年のポルノ描写、通称・児ポとなってしまうからです。
大人のマンコの写真を所持していても逮捕はされませんが、児ポは所持しているだけで逮捕されます。
また、マンコをネットにアップしても日本の法律で裁かれるだけですが、児ポをネットにアップする事は国際的に裁かれる可能性があります。
それほど罪が重いのです。
もちろん漫画・アニメは児ポには当たりませんが、それでもワレメを描くというのは今はメジャーなアニメではあり得ないでしょう。
※漫画やアニメの未成年は非実在青少年という概念になり、現在の日本では児ポ適用外。
かつてはギリギリセーフだったワレメ。
現在、ギリギリセーフと言えばなんでしょう?
・・・そう!
衣服にくっきりと浮き出たマンスジです(笑)

ぴったりとフィットした衣服に浮き出るオマンコの形・・・マンスジのエロさは度々ブログでも語ってきたかと思います。
私の見解ではマンスジとは、ほぼオマンコだと思うのですが、面白いもので現在の日本ではセーフなコンテンツにあたるのです。
あくまで布で隠しているわけですからね。
漫画・アニメどころか、実写でもマンスジはセーフなのです。
なので今のアニメでは緻密なマンスジ描写というのはよく見られる傾向にありますね。
ちなみにマンスジでも例外的にアウトになるものがあります。
それは実写、かつ未成年のマンスジです。
これは児ポと見なされ、実際に股間を強調した未成年アイドル系のイメージビデオなどが摘発されている例があります。
現在はアニメであれば未成年のマンスジはセーフですし、成人女性であれば実写のマンスジもセーフです。
ただ、ここまで話をしてきてお分かりいただけたかと思いますが、マンスジはあくまで「現在セーフであろう」と言えるだけの事であって、将来的にいつアウトになるかはわかりません。
願わくは、マンスジという聖域は死守していただきたいところではありますが、全ては警察・検察のさじ加減というのが何とも歯がゆい所ですね。
また、アニメではなく漫画では2000年代に「ToLOVEる」が瞳マンコという描写方法を発明しました。
これはマンコを見ている主人公の瞳に映るマンコを描く事で、間接的にマンコを描写する方法です。
瞳に映るマンコなのか、それとも単なる黒目なのか、曖昧な描き方をしているのがポイントです。
このように人類のマンコ描写と規制の戦いはまだまだ続いていくのです。
Last Modified : 2021-09-05
Re: 手塚といえば、有名なブラックジャックでも
>名前ピノコのシーン、ようやく確認できました。
確かにワレメが描かれてますね(笑)
手塚先生はエロと残酷表現を自覚して多用していたので漫画家としてのこだわりかもしれませんね。
ちょっと話がそれますが手塚先生の描く女性ってグラマラスでエロいんですよね。
手塚先生自身は漫画の記号的表現というものを目指していたため、基本的にはデフォルメされた絵になります。
現在の多くの漫画家のようにリアルに書き込まれた絵ではないのですが、的確に女性の魅力というものをとらえて表現していたのだなぁとしみじみ思います。
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